国民健康保険料を滞納すると学資保険は差し押さえられる?

学資保険と差し押さえ

国民健康保険(国保)の保険料を滞納すると、財産が差し押さえられることがあります。
滞納者が滞納したお金を支払わないと、各自治体は地方税法などに基づき、財産を差し押さえ・換金して保険料として当てられるようになっています。
差し押さえの対象になる財産の典型例は以下の5つが挙げられます。

  • 不動産
  • 給与などの賃金
  • 預貯金
  • 生命保険
  • 売掛債権

学資保険は生命保険の一つ。
「子どもの為の貯蓄」と言っても、その人が持つ財産には変わらないので、差し押さえの対象になります。

学資保険と差し押さえ

朝日新聞社が調査結果(2011年)によると、差し押さえた財産の内訳は預貯金(50%)、保険(22%)、不動産(15%)となっています。

差し押さえの対象になりにくいのは「換金が難しいもの」。
生命保険は保険の解約や保険金の引き出しが比較的簡単なので、預貯金と同じく差し押さえの対象になりやすいです。

解約返戻金・配当金・満期金が対象

学資保険の差し押さえ対象になるのは「解約返戻金」「配当金」「満期金」
生命保険契約の解約払戻金請求権を差し押さえた債権者(=役所、地方自治体)は、滞納者(保険契約者)が持つ解約権を行使できます。

分かりやすく言えば、Aさんがかけていた某生命保険会社の生命保険が差し押さえられると、解約させられて、解約返戻金が国民健康保険料の支払いに充てられる訳です。

ただし解約に関しては「差押債権者(=役所、自治体)の利益」と「保険契約者や保険金受取人の不利益」を良く考えて、差押債権者側は解約の有無を慎重に判断する必要があります。

1.近々保険の対象になる事故が起こり、多額の保険金請求権が発生することが予測される
2.被保険者が入院給付金の給付を受けており、その給付金が療養生活費に充てられている
3.高齢または既病歴があるなどの理由で、他の生命保険契約へ新規加入が難しい
4.差押えに関する滞納税額と比較して、解約返戻金の額が非常に少額

学資保険は貯蓄に特化した生命保険なので、上記のような条件に当てはまりにくいです。

・死亡保障付きの学資保険に加入しており、保険契約者の死期が近い。
・学資保険に加入したばかりで、今すぐ解約しても解約返戻金が少ない。
……という場合は、差し押さえの対象から外れるかもしれませんが、これもケース・バイ・ケースだと思います。

参照:第67条関係 差し押さえた債権の取立て – 国税庁

離婚時の名義人に注意

「自分は国民健康保険料を滞納していないから問題ない」と思っていても、元夫が保険契約者で、自分が保険料を支払っているという場合は注意が必要です。
離婚後、元夫が差し押さえにあってしまえば、自分が払い続けた学資保険でも、保険契約者(=元夫)の財産として見なされて、差し押さえの対象になります。

自分の請求が認められるかどうかは分かりませんが、差押債権者に「契約は元夫だが、保険料の支払いは妻の自分がしている」と訴えたり、担当者と相談したりすることはしておくと良いです。

「死亡保障が付いており、変更できなかった」「相手が話し合いに応じてくれなかった」という理由で名義変更できないのは良くある話なので、学資保険の名義人は子どもの真剣を持つ方の親にしておくと安心です。

学資保険の差し押さえは減少気味

学資保険は差し押さえの対象になる生命保険の一つですが「子ども為の教育費まで差し押さえるのか」という反発の意見も多く挙げられています。
最近では自治体によって学資保険の優先度を下げたり、祝い金を「教育資金にあたる」として差し押さえ対象から外したりする所も増えてきました。

例えば大阪市は「学資保険の差し押さえはできるだけ避ける」という声明を出しています。
「国民健康保険料を滞納すると学資保険は差し押さえられる?」という質問に関しては、差し押さえの対象になるのは明確ですが、自治体によっては優先度を下げたり、教育資金としてみなされる分は対象外にしたりしている……というのが現状です。

© 2017 学資保険比較リサーチャーズ. WP Castle Theme by Just Free Themes